もう随分前から、猫が耳を描いているのが気になっていました。
掻きすぎて目の上がはげて、血が出て、かさぶたになって、また掻いての繰り返し。

放っておけば治るのかな、病院案件かな。
写真を撮って猫に詳しいお客様何名かに見てもらいました。
「かわいそう、行った方がいいよ」
「病院へ行って何もなければそれでいいから、とりあえず行ったら？」
病院へ行きました。

病院嫌いの猫なので、待合室から大興奮。
フー！シャー！
お医者様に見せようとしても歯をむき出しにします。
「今日はダメだね」と診てもらえませんでした。

別のお医者様でも大興奮。触ることもできませんでした。
「見れないけれど、元気だから大丈夫だよ。」
お医者様に聞きました。「うちの猫は、いつもこんな感じです。もし大きな病気になっても見てもらうことはできないのでしょうか？」
「本当に病気になったら、ぐったりして診せてくれるよ」

大丈夫と言ってもらって安心したけれど、掻くのはやめません。
そんな中で、我が家と同じフーッになっちゃう猫を飼っていたお客様がお医者様を紹介してくれました。
「あの先生なら診てくれるかも」
日曜は休診のようですが、休日診療の日に行ってみました。

やっぱりフーッと興奮状態。
ここで今までの先生は諦めましたが、この先生は違いました。
押さえて、機械を出してきて、初めて診察をしてもらえました。
猫が頭を振りまくって噛みついて、指から血がでても「これも仕事」と笑いながら診察終了。

耳の中がまっくろに汚れていて、炎症が見つかりました。
私が覚えているだけで、猫は2年前から耳を気にしていました。
やっとわかったね、今までごめんね、良かったね。

病院の帰りに旦那さんが言ったこと。
「先生の覚悟が違う」と。
「なんとしても治してやろうという気持ちがあるんだろう」

私の肌のお話しになりますが、昔ニキビに悩んで辛かった時期にエステサロンへ行ったことがあります。
皮膚科ではどうにもならず、エステに相談してみたいと思った時期でした。
これで肌が治るかもと期待を込めて行ったら、受付の方が私の顔を見た瞬間に眉をひそめて「うちではできません」と帰されました。
みることもなく、話を聞くこともなく。

実際ニキビは難しいです。
原因は多岐に渡るし、悪化と沈静の繰り返しでお客様に寄り添ったケアが必要だし、触れたくないものでしょう。
サロンによってはお医者様へと言うルールになっているところもあり、理解します。

私は自分と同じ悲しい思いをお客様にさせたくないと考え、ニキビの方にもできるケアを勉強し、なんとかできる化粧品を取り入れました。
カウンセリングには出来るだけ時間をかけられるように、初めての方は3時間はとるようにしました。
「治ります」などと言えないし約束できないので、深刻な肌トラブルを前にした時は怖いです。
でも、できることはすると決めています。
これも「覚悟」ですよね。
いつの間にか仕事に覚悟をもてていたのだと気付きました。

もっともっと勉強して、技術と知識を高めて、できることを広げていきたいです。
そして猫にとってのあの病院のように「ここに来れば大丈夫」というサロンになれたらと思います。

元お客様であり、現スタッフは「私にとっては、FDは「最後はここにくれば大丈夫っていうサロン」ですよ」と言ってくれています。
じわじわですが、頑張れているのかな？とか思います。