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技術の伝承
10年前の5月。
ある会社でエステの勉強をしていました。
これから開業予定の方がもう一人いて、2人+インストラクターと毎日です。
卒業間近の頃、一般の方にモデルになってもらって実戦研修をしました。
ある方を施術した時に、モデルなのに
「そうじゃなくて、こうしてごらん」
「そこで手を広げて・・そう!」と細かく指示をくださった方がいました。
その指示が素晴らしくて。
終えてから「あの人は何者!?」と研修仲間と大騒ぎでした。
インストラクターに聞いたら、昔のサロン仲間だそうです。
私が勉強した会社はもともと小さなサロンからスタート。
大きくなって、最後は会社になりました。
そのサロンの頃に一番人気だったエステティシャンが、その方だったそうです。
最後の頃はおばあさまと言っていいお年で、会社になったのを機に引退したとか。
「もっとお話をすれば良かった!」と悔しがったら、
会社には昔の仲間がいっぱいいるので、まだ事務室で話しているよとのこと。
お帰りを待ち伏せて、「少しでいいから教えてください」と頭を下げました。
「昔のことよ」と辞退されるのを、私たちも必死だったのでお願いしてお願いして
なんとかエステルームへ来てもらい、技をいくつか教えていただきました。
自分の技って宝物なのです。
長い経験の中で培ったオリジナルの技です。
絶対に教えたくないものです。
スクールなどを調べたことがある方はご存じかと思いますが
小さなものでも5万、10万。普通でも数十万かかります。
それだけの価値があるのだと、教える側も教わる側も分かっているからこの値段です。
それを突然初対面で教えてくれなどと・・今思えば恐ろしいお願いをしました。
引退していたから教えてくださったのでしょう。
その技を、今、Yさんに伝えています。
最初は伝えることに抵抗がありました。
でもお客様のため、と考えたら、伝えることの方が意味があると気づきました。
Yさんもベテランですから、どれほどの価値を伝えているか分かってくれていると思います。
そういえば、うろ覚えですが
確かロミロミマッサージも神聖で門外不出の技でした。
今は日本でも簡単に受けられます。
一般的になりました。
あのおばあさまがあのまま引退していたら、この技は途切れていました。
私が仕事を辞めたら、また途切れるでしょう。
でもYさんにつながりました。
技術は安売りしてはいけないし貴重ですが、伝承することも大切ですね。
Yさんへの一般的な技の伝達は終わっています。
モデル募集で練習しているのは、そのおばあさまの、かつてのカリスマエステティシャンの技術です。
来週からのYさんの施術は更にパワーアップしていますよ。
楽しみにしていてください。